今年、注目の話題の一つがSMAPの解散報道だったと思います。

SMAPが解散するころが決まったころから、冠番組である「SMAP✕SMAP」の
雰囲気が悪いというようなニュースやSNSでの投稿が目立ちました。

このことから感じることは、デビューから25年も芸能界で活躍してきたSMAPの
メンバーであればファンの大切さや解散についてファンが不安に思っていることなども
分かっておられると思いますが、それでも身近で起きている解散に伴う出来事に対して
心が囚われてしまうのだろうということです。

 

人間は、未来や過去のことを考えてモチベーションを上げることができますが、現在
受けているストレスに対する反応は、簡単にコントロールすることはできません。

スポーツでも、例えばプロ野球選手がチームのリーグ優勝のために戦っていたいても、
一つの試合で起きた審判のジャッジに異議を唱えて、主軸の選手が退場させられて
しまうというようなこともあります。

また、オリンピックを目指して努力をしていても、日常の誘惑に心が動いてしまって
練習に身が入らなくなったり、時には社会から非難されるようなことをしてしまい、
チャンスを棒に振るということもあります。

 

プロ野球の場合は、納得のいかないジャッジに対して怒りの感情で反応してしまい、
自分がチームから離脱することがどれほどの戦力ダウンかということよりも、納得
のいかない気持ちをぶつけること優先してしまったケースです。

オリンピックの場合は、何らかの快楽を得られるような刺激を受け、ついつい誘惑に
負けてしまって、つかみ取りたい栄光や感動よりも、今目の前で得られそうになって
いる快楽を優先してしまった例です。

 

人間の脳は、ほかの動物と違って遠い未来と過去に意識を向けることができることが
優れている点の一つです。
その力があるからこそ、目の前にいない人のことを思って行動することもできます。
未来を想像したり、過去を思い出したり、違う場所にいる人のことを思って感情を
高ぶらせたり、落ち着かせたり、意欲を保つころなどができるのです。

しかし、人間も他の動物と同様に、今受けている刺激に対して脳が反応してしまう
という傾向もあります。
特に食欲、性欲などを刺激する出来事、楽しみ、怒り、悲しみなどの感情を生む
出来事に対しては、心が奪われがちになります。

受けた刺激に対して心が過剰に反応してしまうと、心が乱れて不適切な行動を
とってしまうこともあるのですが、そうならないためにも自分が努力をしている
動機、自分が何者であるのかということ、誰にために今の行動を行っているのか
ということを思い出して、取るべき行動を維持できるように私たちは未来や過去、
大切な人などのことを思い、心の安定を図るのです。

 

SMAPならファンを楽しましたり、感動させるために、プロ野球選手なら勝ち
続けるために、オリンピックを目指すアスリートなら代表権をつかむために、
未来や過去、他人への思いを土台に自分が行動するための信念や意義と日々の
生活の中で受ける様々な刺激に反応した心の状態とがせめぎ合っているのです。

ただ、大きな成功を成し遂げたり、芸能でもスポーツでも活躍を続けている人は
今受けた刺激に心が負けてしまうことは少ないはずです。
それでも、自分の心を動揺させる大きな刺激に対しては、心が囚われてしまう
ことや囚われたままの心で行動し続けてしまうことがあるのです。

 

芸能でもスポーツでも、注目される人ほど、それだけ大きなプレッシャーの中
で活動しているので、心が受けている刺激も大きいと思います。
だからこそ、人間の心は、未来や過去、他人を思うことで信念や意義を持つこと
ができる反面、今受けた刺激に対する反応を優先しようとする働きがあること
を認めておいてほしいと思います。
それが、メンタルをコントロールするために必要なことだからです。

 

芸能人でもアスリートでも、自分の目的、過去の努力や関わってきた人、支えて
もらった人、ファンなどを意識する機会を、日常の中にどのように作るかが、
より良い精神状態で活動するための課題だと思います。

 

 

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