アスリートによって試合前にどんな心情になるのかということは個人差があると思います。

 

安定して結果を出している人がどんな考え方でいるのかということは、競技をしている人
であれば知りたいことだと思いますが、コーチングの中で世界大会への出場経験のある方
や日本のトップレベルの戦歴を持っている方に話を聴いていても、
『試合前になるとあれこれ考えることなく、すべきことだけを考えている』
という方もいれば、
『試合前は、いつも不安で怖いという気持ちになる』
という方もいて、決してポジティブで強気な気持ちでいる人ばかりではないということ
がわかります。

 

ただ共通していることは、自分の気持ちを偽っていないという点です。
自分が、試合直前や大会が近づいてくるとどんな心境になっているのかということに
ついて、質問されたら正直に答えて下さっています。

これは、試合直前や大会前に、自分の内側に意識を向けてその時の心境や体調などを
感じ取るということをされているからだと思います。

 

 

前回と前々回の記事では、外的コントロール内的コントロールについて書きましたが、
自分の心身の状態を把握できていて、質問された時に正直に答えることができる方は
自己洞察力と内的コントロール力が高いのだと思います。

アスリートの話を聴いていて感じるのは、緊張感が増した時にポジティブで攻撃的な
感覚になる人も、ネガティブで慎重な感覚になる人も、どちらの人も自分の感覚を
大切にプレーすることが大切だということです。

ある選手が、試合前はポジティブで攻撃的な感覚になると言っていて、それを聴いた
ネガティブで慎重な感覚になる人が真似をしようとすることは、無理に自分の感覚を
変えようとしていることになり、心と体の連携が上手くいかなくなってしまうのでは
ないかと思うのです。

 

 

私は、アスリートのコーチングでは、一つの正解に当てはめるのではなく、自分の
性格をよく知り、自分の自然な心境の変化をどうパフォーマンスにつなげてもらうか
いうことを目指してアプローチをしています。