試合が怖いと感じるようになった

好きでやっている競技なのに、ある日突然試合が怖いと感じる
ようになってしまう人がいます。
試合中に体が重く感じて勝てる気が全くしない、大事な試合で
負けた記憶がフラッシュバックして思い切ったプレーができない、
イップスになってしまったなどという理由から、試合が近づく
と精神的に追い込まれて、ひどい場合はうつのような気分の
沈み方になってしまうこともあります。

この記事では、試合が怖いという感覚に襲われてしまう心理的
背景と性格傾向、そして改善のポイントについて述べています。
自分自身も試合が怖くなっている、指導している選手が突然
試合で別人のようにパフォーマンスが落ちてしまったという方
は参考にしていただければと思います。

負けることへの恐怖心と自信家な性格

なぜ試合が怖くなるのかというと、それは負けることへの恐怖心が生まれるからです。
誰もが負けることは嫌で、勝負事をする以上は勝ちたいと思うのですが、試合が怖いというレベルの負けるのが怖い
という感覚は、負けることによって自分は存在価値を失うような恐怖心を伴っています。

負けるのが怖いという感覚を持ちやすい選手というのは、同世代と比べて競技レベルの高い選手で子供の頃から
勝ことが当たり前というくらい勝っていて、周囲からの期待も感じています。
指導者や両親が、勝利至上主義的である場合は、自分の価値は勝つことによって保たれているという無意識の感覚も
強くなっていきます。
そして、子供の頃から活躍しているほど、多くの人が自分のことを知っているという感覚はあるので、試合に勝て
なくなったら多くの人にどんな風に思われるだろうという不安も持っています。

負けることが怖くなるという恐怖心に、体が動かない、イップスになる、気分が沈むというような状態まで重なる
ほどの恐怖心を持ってしまう人は、【負ける】ということに、他人の期待を裏切る、自分の価値が下がる、周囲の
人から何と言われるかわからない、といったさまざま連想を強く結びつけている傾向があります。

上記の理由から試合が怖いと感じるタイプは、性格的には、本来自信を持ちやすい反面、周囲の評価を気にする
傾向の人が多いと思います。

責任感とミスと試合への恐怖心

性格的には温厚で、他人と争うという気持ちがそんなに強いわけでもないのに運動能力が高い選手もいます。
このタイプの選手は、チームメイトとも安定した人間関係を築きたい、出来るだけ衝突は避けたいという平和主義者
でもあります。
このタイプの選手が試合に出ることが怖くなるのは、自分のミスやパフォーマンスの状態によってチームが負けて
しまうといったチームに迷惑をかけてしまったと後悔が残る体験によるものであることが多いように思います。

周囲の人との安定した関係を望む性格の人は、それが壊れることへの不安や恐怖を持ちやすいため、そのきっかけと
感じられる出来事がまた起こってしまうのではないかと思いやすいのです。
ミスの場面がフラッシュバックしてしまうのも、不安や恐怖心に連動して記憶が鮮明に蘇るからです。
試合前にミスのイメージがどうしても出てきてしまい不安になるのも、試合中に突然ミスをした場面がフラッシュ
バックしてしまうのも、イメージによって体の動きを鈍くなったり、筋肉が硬直してしまうことにつながるので
本当に同じようなミスをしてしまい余計に試合が怖くなるということが起ります。

試合が怖いという自覚の奥にある心理

人間は性格傾向によって何に不安や恐れを抱きやすいかに違いがあります。
本来はスポーツの試合でミスをする、負けるということで失うものは、チャンスや勝利なのですが、人から尊敬され
たい、強い、優れているというような評価を得たいと思っている人は、それらを失ってしまうのではないかと思う
ことで不安や恐怖を抱き、周囲と安定した人間関係を築きたい、良い仲間だと思われたいという人は、それらを失う
のではないかと思うことで不安や恐怖感を抱きます。

人によってミスや負けという現象に、自分の思い込みで他人の心理に与える影響を想像してしまい怖くなってしまう
のです。
アスリートの相談を聴いていると、試合が怖いという自覚の奥に隠れている心理が見えてきて、目立ちたがりな人
と隠れたがりな人は、他人の視線や評価を気にする傾向が強いくて、負けやミスが続いたり、心理的なダメージの
大きい負けやミスを経験したことで、試合恐怖症になってしまっていると感じます。

試合恐怖症を克服するために

試合恐怖症を克服するためには、自分が負けやミスによって何が起こることを恐れているかを自覚する必要があります。
負けやミスが続くとコーチ、チームメイト、ファンなど、他人の心理に影響が生まれることは確かですが、関係性に
よっては影響の表れ方は違うし、より身近な人ほど本人のことを信じてくれているということもあります。
具体的に何を恐れているのかを明確にしてこそ、それを気にした方が良いのか、気にしなくてもいいのかがわかります。

試合をすることが怖くなっている人に、「負けてもいいから」とアドバイスをしてもあまり効果がないのは、誰もが
負けることは嫌で、恥ずかしい、悔しいという思いはあるので、「負けても心配しているようなことは起らないから」
と言ってあげた方が良いですし、自分にもそう言い聞かせて上げた方が気持ちは落ち着きます。
本当に怖がっていることに対して、そんなことは起きないと言ってあげた方が良いのです。

さらに負けたくない、ミスしたくないという思いが強くて、あまたの中でその考えが堂々巡りをしていると
負ける場面やミスしている場面が脳の中でイメージとして作られてしまいます
ネガティブな思いが具体的なイメージに変わることがないようにするためには、自分にとって望ましくないことが
起きないように願うのではなく、どんなことをしたいかを具体的にイメージすることが大切です。

自分に対して『~する』という明確な意思を伝えて、その行動をイメージ化することが必要です。
起きてほしくないことへの願望ではなく、自分がこうしたい、こういう結果が欲しいということにつながる行動を
するという意思を明確に持つことが恐怖心に勝つためです。

メンタルトレーニングでも、考えすぎて不安感や恐怖感が高まることを防ぐと同時にパフォーマンスを発揮する
ために必要なイメージの構築ができるようにすることで、試合が怖いという恐怖心の克服を目指します。

試合が怖いという思いからパフォーマンスが発揮できなくなることは、条件が揃えば起きることなので、もしも
自分がそうなってしまった時には、その状態を放置せず改善のための適切な取り組みをすることが大切です。

コラムニスト
氏名 衣川竜也
職業 メンタルトレーナー
所属 株式会社AXIA

コラム&インタビュー一覧へ  トップページへ

【メールマガジンを配信しています】
メールマガジンでは、メンタル強化、緊張やイップスへの対策など
実際のコーチングでお話しするような内容を配信しています。
メンタルの知識が欲しいという方は、登録お願いします。

登録してもメールが届かないという方は、お問合せ下さい。

登録してもメールが届かない方は リザストメーラー をご利用下さい。

 

 

contact6