子供が自信をつけるために親ができること

スポーツをしているお子さんをお持ちの方の中には、運動能力は高く、その競技のスキルもあるのに自信がないために結果が出ない子供を見てもどかしく思っている人もおられると思います。
今回は子供に自信を与える質問方法について書いています。

親から子供への問い掛け方が大切

スポーツ指導の現場でのコーチと子供の関係、ご家庭での親子関係でも、スポーツに熱心であれば子供と大人が会話をする場面はたくさんあると思いますが、会話をする機会が多いからこそ、どのような会話をするかが子供の心の成長に与える影響に違いが出てきます。

スポーツ指導の現場でも、親子の会話でも多いのが、大人が子供に質問をする時に頭の中で正解を用意してから質問をするケースです。
明確な答えのある質問をしている時は別ですが、子供がどのような思いでその行動を起こしたのかについて質問をする時には、正解は子供の発想の数だけあります。

しかし、大人は質問をすると同時に質問の答えを用意してしまっていて、答えを教えてやるというような態度で子供に質問をしてしまう場合があります。

子供の自信を育てる親子の会話

質問に対して、自分はどんなことを考えていたかを答えた子供が答えを否定されることが日常的だと、子供は大人が望んでいる答えは何かを考えるようになってしまいます。
自分の本心に対しては鈍感になり、他人の顔色には敏感になり、自分の本心、発想、それを発言することに自信が持てなくなってしまいます。

反対に、子供の質問の答えに対して、なぜその発想が生まれたのか、その答えがどのように結果につながっているか、結果を考えると他にも良い発想はなかったか、などを子供自身が考えるような質問をしてあげると、子供は自分の発想と結果の因果関係に気づいて、自分の発想に自信が持てたり、他にどのような発想ができたのか考えて状況に対処する力を増すことができたりします。

自分の発想が良い結果に結びついていたとしても、望ましくない結果につながっていたとしても、思ったことを発言して、それを否定されずにより深く考える手助けをしてもらう習慣があると、子供は自分の発想に自信が持てるようになります。

自分の判断を信じられる心を育てる

人間は、いくら良く考えても判断ミスをしてしまうもので、それが子供であれば判断ミスをする機会も多くなります。

だからこそ、自分の発想と結果について子供自身が関心を持って考える機会を持つことが、経験したことをしっかりと記憶することにつながり、その経験が同じような状況になった時の判断材料になるのです。
自分の思ったことを否定されずに受け入れてもらい、深く考える機会を与えてもらうことで自信が深まり、自分の思ったこと、考えたことを信じて判断ができるようになるのです。

スポーツの指導でも、家庭でのコミュニケーションでも、経験豊富な大人はつい『教えてやる』という態度で子供と向き合いがちですが、子供が何を思い、何を考えたのかを教えてもらおうという気持ちを持って接する意識を持って、経験不足な子供だからこそ、今後のために子供の発想が深まるような質問を投げかけてほしいと思います。

子供の発想力を養う質問方法

スポーツの指導者、ご両親など、大人は子供とのコミュニケーションの際に子供の発想力を高めることを意識して質問をした方がいいのですが、そのための1つの方法が『はい』、『いいえ』では答えられない質問をすることです。

『はい』、『いいえ』で答えられない質問は、自分の本音や状況の説明などを文章にして話さなければなりません。
その過程が子供の知能を鍛えるのです。

『はい』、『いいえ』で答えられない質問のことを、開かれた質問といいます。
子供が自由な発想で返答ができる機会を与えてあげるような質問の仕方を実践してみてください。

開かれた質問をする時のひと工夫

子供に対して開かれた質問を行う時に付け加えて欲しい工夫があります。
そのひと工夫は、子供が自分に向けて行う自己質問力を高めることができる工夫です。

私たちは、無意識のうちに内面で自分にさまざまな問い掛けを投げかけています。
「お昼は何を食べようか」、「今度の休みは何をしようか」という日常的なことから、「強くなるためにはどんなトレーニングをすればいいのか」、「自分の精神的課題は何なのか」などスポーツで向上するために必要な問い掛けなどです。

子供は年齢を追うごとに指導者からも親からも自立していきますが、他人からの干渉が少なるなるほど本人がどのような問い掛けを自分に向けているかが、行動の質や心の健康状態を左右します。

例えば、行動が短絡的であったり、計画性がない人ほど、自分への問い掛けが弱く衝動のままに行動してしまう可能性があり、精神力の弱い人ほど、根拠のない不安や疑いを自分に向けて精神的に自分を追いつめてしまう傾向があります。

子供に質問をする時に意識する4つのポイント

子供が大人になっていく過程で、身近な大人の影響を無意識に受けていて、自己質問力も身近な大人とのコミュニケーションの影響を受けて確立されていくため、大人はスポーツ指導の現場では下記のポイントを押さえて子供への問い掛けをしていただきたいと思います。

  • 現実的な根拠をもとにした質問をする(余計な不安や恐怖をあおらない)
  • 自尊心を低下させないように質問をする
  • 子供に目標をし生きさせる質問をする
  • ミスをした時に、ミスを次につなげられるような質問をする

上記のことを大人が意識するだけでも、コミュニケーションの質が変わるので、子供たちの表情や意欲にも変化がみられると思います。
子供たちは知らず知らずのうちに大人の思考パターンをまねているので、上手に質問をすることを心掛けて下さい。

 

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