先日、東洋大姫路高校の剣道部が導入しているIMトレーニングの動画が完成しました。
映像制作会社のファーストトーンさんに撮影をしていただいたのですが、かっこよく作っていただいて満足
しています。
集中力を強化するのに最適なメンタルトレーニング
この動画では、IMトレーニングという脳機能を高めるトレーニングを紹介しています。
IMトレーニングは、ヘッドフォンから等間隔で聞こえる音の発生と同時に手に付けたボタンを叩くという
動作を続けるのですが、音の発生とボタンを叩くタイミングのズレが小さければ小さいほど良いという評価
になります。
アスリートには、1回のトレーニングのスコアが15を切るように課題を伝えていますが、この15という
数字は音の発生とボタンを叩くタイミングのズレの平均が1000分の15秒であることを表しています。
例えば、100回ボタンを叩いたとしたら、100回とも1000分の15秒しかズレていないことを
表しています。
ただ、15というスコアを切ることは決して簡単ではありません。
成人が初めてIMトレーニングを行った時のスコアは、40~69が一般的なスコアだと言われています。
最終的なスコアは、平均値が出るので1回でも大幅にずれたタイミングでボタンを叩いてしまうと、
平均値に影響がでてしまうので、スコアを下げることが難しくなります。
最終的なスコアが15を切るとなると、音という五感から入ってくる情報に対して自分の動きを詳細に
合わせるタイミング能力が必要になり、その精度を維持し続ける集中力の持続が求められます。
さらに、いいスコアを出すには1000分の1秒単位で動作を調整して、15以下のズレでたたき続け
られるように、自分の動きを微調整しつづけなければなりません。
IMトレーニングは、1000分の1秒単位でタイミングを計って動きを調整する力とそれを持続する
集中力を養うことができるトレーニングなのです。
フロー状態を作り出すトレーニング
IMトレーニングで好成績を出すためには、ただ漠然と音に合わせてボタンを叩いていてはいけません。
下記のような点を意識してトレーニングを行うことを指導しています。
・音の発生とボタンを叩くタイミングのズレが0になることを目指す。
・耳で音を聴こうとするのではなく、脳のてっぺんで音が聞こえていることをイメージする
・心の中で浮かんでくる思考に囚われないように、浮かんできた思考を流す
これらのことを意識して行うと、段々とスコアが良くなってきます。
動画の中でも、剣道部員の頭の上に私が手をかざしている場面がありますが、脳内の上の方で音が
聞こえていることをイメージするように伝えている場面です。
音が脳内で鳴っている感覚は、実際に鳴った音を聴いているだけでなく、音の発生のタイミングと
その音をイメージしていて、現実とイメージが脳内でぴったり重なっている状態です。
試合の中で1部の場面だけがスローモーションのように感じたという体験をすることがありますが、
それは目の前で起きている現象と自分の予測がぴったりと合っているからだと感じています。
さらに競技中に高い集中力を発揮している時は、試合が終わってから試合の記憶が曖昧であること
がありますが、これは思考に囚われていないために記憶が明確に残っていないのだと思います。
試合の中で、相手やボールの動きがスローモーションに見えたとか、夢中でどんな風に勝ったのか
わからないという感覚は、理想的な集中状態であるフロー状態の時にも体験するものであること
から、IMトレーニングは脳をフロー状態に導いて、その体験をクセづける方法であるとも考えて
います。
トレーニングを体験した人が、集中力がアップした、集中力が持続するようになったと感じるのは
トレーニングによって、質の高い集中力を発揮するためのクセが自然と身に着いているからです。
IMトレーニングを体験してみたいという方は、コーチングやメンタルトレーニングのご依頼を
頂ければ、その時間内で行っていただくことが可能です。
IMトレーニングを紹介している動画