他人の言葉が気になりプレーに迷いが生じる

今回は、私のLINE公式アカウントに登録してくださっている方からの質問に対する返答です。
質問者の情報を守るため、質問の内容は必要な部分だけを公開しています。

他人の言葉に影響されてプレーが乱れているという人へ

質問の内容

Ｑ．他人の言葉に惑わされずにプレーをするにはどうすれば良いのか？

今回はサッカーをしている２０代の選手からの質問です。
おそらく競技が違っても同じような悩みを持っている人も多いと思います。

Ａ．選手として注目を集めるようになったり、応援してくれる人が増えるなど、自分に関心を持つ人が増えるほど、周囲からプレーに対してもたくさんの『無責任な言葉』が耳に入るようになります。

他人の言葉に惑わされないようにするためには、まずは選手として活躍するということは、自分に関心を持つ人が増えて、いろいろな言葉が耳に入るようになるということでもあるという現実を受け止め、多くの言葉を受け流していくという心の準備をしておくことが必要になります。

上記のような悩みは、中学生から２０代前半の若い選手が抱えていることが多いのですが、それは自分が注目されるようになって心の準備ができていない時にいろんな言葉を受けて戸惑っているという傾向が見られます。

他人の言葉を受け流すという思いと同時に、下記のような思考を強くしていくことが自分のプレーを見失わない心の力になります。

自分のプレースタイルは、自分の心理的特徴、身体的特徴、経験によって作られている。
そのプレースタイルを変える時は、誰かの言葉ではなく競技の中で必要性を感じた時だ。
プレースタイルは、日々の練習や試合の中での挑戦と修正によって築かれていくもので、誰かの言葉によって変えるものではない。
別の視点から言うと、どんな良いアドバイスをもらっても、練習や試合でミスを恐れず挑戦をすること、挑戦したことで何かに気づくことがなければ、アドバイスをもらっても良くならない。
挑戦と気づきを伴った経験こそがアスリートとしての自分を成長させる糧になる。

なぜ他人の言葉は気になるのか

アスリートに限ったことではありませんが、他人から言われたことが気になって心の調子が悪くなったり、自分の行動に迷いが生じてしまうということがあります。
なぜ、他人から言われたことが自分の状態を悪くしてしまうほどの影響してしまうのか。
それには下記のような理由があります。

他人からどう思われているかということが気になりやすい性格
他人に指摘される前から自分の現状に不安や迷いがあった
自分の考え方、努力の方向性が十分に確立されていなかった

人間が他人の言動を気にするのは、社会生活を送っていく上ではある程度必要な特徴で、その特徴の強さには個人差があります。
どうしても性格的に他人の言動が気になってしまう、よく言えば他人の言動に共感する力が高いという人がいます。

また、アスリートなら自分のプレーにある程度自信があり、目指すべき理想もあるけど、不安や迷いもあるというのは自然なことです。
本来は、その葛藤があるからこそ試行錯誤してより良いものを目指すという意識が生じるのですが、他人から言われた言葉によって目指す成長の方向性がわからなくなることがあります。
特にアスリートとしての考え方、努力の方向性が曖昧な人ほど、他人の言葉によって迷いが生じやすいと言えます。

年齢が若いアスリートほど、他人の言葉によって調子を崩したり、本来のプレースタイルを見失ってしまうのは、競技力の高さに比べて精神的な成長が追い付いていないからということは言えると思います。

思考力の向上とセルフコーチング

人の言葉によって自分の心理状態が不安定になったり、プレーに狂いが出てしまう人は、自分の心の中で生じる言葉が他人から発せられた言葉に負けてしまう傾向があります。
そういうタイプの人は、自分の心を奮い立たせたり、落ち着かせたり、行動を促進させる自分にかける言葉、思考を確立していくことが必要です。

自分の内面で生じる言葉は思考の道具です。
どんな言葉を持っているかによって思考力に違いが出ます。
自分が信頼する人、尊敬する人からの言葉、本から得た言葉など、自分の思考力の土台となる言葉を身につけること意識してみて下さい。
そうすることでセルフコーチング力が高まり、他人から不本意な言葉を掛けられても自分の調子を保つことができるようになるでしょう。

私の著書は、セルフコーチング力の向上を目的とした内容になっています。
よろしければ参考にして下さい。