チームのメンタル強化は導入段階が重要
チームとして結果が残せなくなった時、チームの指導者やリーダーはどうすれば現状を打破することができるのか考えると思います。
その結果、競技力に自信のあるチームほどメンタル面が原因だという結論に至りやすい傾向があります。
チームの低迷は、メンタル面に課題があると仮定する時に重要な点は、本当にメンタル面に課題があるかどうかということ、そしてメンタルに課題があるとしたらそれを具体的にすることです。
チームのメンタルサポートとしてチームビルディングを手掛ける場合は、導入段階を慎重に進めることが重要だと考えています。
さまざまなメンタル面の課題とは
チームが低迷している原因がメンタル面にあるかどうかという問いに関しては、メンタル面の課題は大きさを問わなければどんな時も存在するというのが答えです。
ただ、危険なのは課題を選手のメンタル面にのみ課題を見出そうとすることです。
指導者が抱えるメンタル面の課題
選手のメンタルに課題があるという仮定をすることで、監督やコーチの指導力に課題があるのではないかという意識が薄れてしまうことがあります。
解釈の範囲を広げると、指導力というのはノウハウとそれを伝えるコミュニケーションにより構成されているのでメンタル面の課題でもあります。
そう考えるとメンタル面に課題があるという仮定は監督やコーチにも該当すると言えます。
私が関わった実例としては、監督やコーチが言葉使いを変えることで選手のパフォーマンスが良くなったということもあります。
また、練習量が多く疲労の蓄積によってパフォーマンスが落ちていたチームは、練習量と内容を調整することで結果が出たという実例もあります。
チームの特徴として表れるメンタル面の課題
メンタル面の課題には、個々の選手ではなくチームという集団に表れる課題もあります。
それはコミュニケーション不足や性質です。
コミュニケーション不足による情報共有ができていない、意見を言いにくい雰囲気があるため練習や試合で萎縮する選手がいる、という形で表れています。
コミュニケーションの課題は、いつの間にかチームに定着したものであるため、そこに課題があると気づいていないことも多いです。
監督や主将の交代やメンタルトレーナーのサポートなど、チームを牽引する人、または外部からの刺激によってコミュニケーションに変化が生まれ、それによって選手のパフォーマンスが上がることもあります。
選手が個人的に抱えるメンタル面の課題
選手はそれぞれにメンタル面の課題を抱えています。
個人手には活躍しているけどチームを牽引するという点においては十分に役割を果たすことが出来ていないという選手。
競技力は高いが、精神状態の波が大きいために十分に実力を発揮できていない選手。
何らかの理由でスランプやイップスになっている選手。
チームの雰囲気を悪くする発言をしてしまう選手。
チームにはさまざまなメンタル面の課題を抱えた選手が集まっているので、その課題の克服が必要な時もあります。
一人の選手が変わることでチームの雰囲気が変ったり、勢いが出て勝率が上がるということもあります。
課題の見極めから始まるチームビルディング
私がチーム向けのメンタルサポートの依頼を受けた時は、まずはヒアリングを行って課題の把握を行います。
チームによってサポートをする期間に違いがあるので、限られた中で効果につながるサポートを行うためにはヒアリングがとても重要になります。
またヒアリングを行うことによって、チームの関係者の中でも課題が明確になり、普段の活動に変化が生まれることがあります。
心は目に見えないものなので、チームを強くするためにメンタル面の課題に取り組むためには、何が課題なのかを具体的にする必要があります。
そのために話をお聴きして、その上でサポートプランを立てています。
これは、チーム内だけでメンタル面の課題に取り組み場合も注意して欲しい点です。
大雑把に選手のメンタル面に課題があると仮定してしまうと、選手を余計に委縮させたり、自信を低下させてしまうことになり兼ねません。
メンタルトレーナーがサポートする場合でも、選手のメンタル面だけに目を向けると偏りのあるサポートになってしまうので課題のチームビルディングのためには課題の見極めが重要になるのです。
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