今回の記事は、前回の記事と関連しているものなので、『メンタルが弱いと思い込んでませんか?』 という記事と合わせて読んで下さい。
自分はメンタルが弱いと自己暗示に掛ってしまっている人も結構多いので、自己暗示から抜け出すために、スポーツ心理に関して正しい認識を持っていただきたいと思います。
試合で緊張するのは当たり前
『自分は試合になると緊張して力が発揮できない、それはメンタルが弱いからだ』と思っている人がおられるようですが、緊張をするからメンタルが弱いわけではありません。
緊張とは、脳が環境を生き抜くために備わっている闘争(逃走)反応であるため、試合という【戦い】を連想することを行う時、自分の行動が何らかの成果につながる可能性がある時、危険を感じた時、などには自然と生じる生理反応です。
メンタルが弱いと感じている人は、その生理反応を敏感に感じて不安になったり、緊張によって生じる身体反応を不快だと感じている傾向が強いです。
それに比べて、緊張に伴って現れる身体反応を不快だと感じない人もいて、そういう人は自分は緊張をしないと思っているのですが、基本的には緊張していると感じている人と同じ脳と体の反応は生じています。
メンタルが弱いという認識は勘違い
メンタルが弱いと感じている人は、緊張によって生じる反応を不快だと思っているため、試合前に不安になったり、不安を具体化するイメージを思い浮かべたりするために、マイナスの思い込みやマイナスのイメージトレーニングをして試合に臨んでいるのです。
人間の脳は、自分の命を守ることを優先するので、特に対策もしなければ良くないことを考えて、それを回避しようという働きをするのです。
その働きが、スポーツの場合パフォーマンスの低下を生むことがあるので、結果的に緊張している自分はメンタルが弱いという認識になってしまうのです。
自分はメンタルが弱いという思い込みは、緊張と結果を結び付けて生まれてくるもので、何の対策もなしに競技をしていると思い込みが強くなることもあるのです。
緊張に対する対策がメンタルトレーニング
緊張という反応をどう感じているとしても、緊張という反応自体が生じるのは生理的反応という脳の自然な働きです。
メンタルトレーニングとは、緊張という自然な働きを上手にコントロールして、望んでいるパフォーマンスの発揮につなげる取り組みです。
メンタルが強いとか、弱いということではなく、試合という条件の中で緊張という自然な脳の働きが生じるのは当然だからこそ、その働きをコントロールするスキルを身につけておくことが望ましいのです。
もし、あなたが自分はメンタルが弱いと思っておられるのなら、思い込みを持ち続けるのではなく、緊張をコントロールして力を発揮するためのスキルを身につけることを提案します。
現在、アスリートのためのに『メンタルを強化するための5つの提言』という情報を配信しているので、良かったらメンタル強化のために読んでみて下さい。
メンタルトレーニングは、ある程度なら自分で取り入れることもできるので、参考にしていただければと思います。
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