今、パラリンピックが開催されていますが、日本人選手の活躍も目立ちますね。
私は、パラリンピックの意義というのは、障害を乗り越えて自分の可能性を追求することができる機会、その成果を披露できる場であり、努力する姿や闘う姿が報道されることによって内面的には健常者も障害者も区別なく自分の可能性に挑戦する気持ちに尊厳が感じられるという点にあると思っています。
そしてもう一点、パラリンピックがあるということで障害者スポーツのアスリートたちが、高いモチベーションで競技に取り組むことで、人間の体の可能性を引き出す選手が増えてくると思うのです。
その理由は、人間の脳や身体は不自由な部分があるとその機能の他の部分で補おうとする力があり、パラリンピックはアスリートが不自由な部分を抱えてプレーしているからこそ、不自由さを補うために人間の可能性を発揮していると感じているからです。
例えば、車いすの競技のアスリートなら、下半身の力は発揮できない分上半身の動きでプレーをするために背骨の動きの質は、健常なアスリート以上である可能性があります。
また、目が見えないアスリートは、聴覚によって状況を把握して自分の体やボールなどをコントロールする力は非常に高いと思われます。
片腕や片足がない状態でパフォーマンスをするということは、非常に高度なバランス感覚が脳内で発達していると考えられます。
パラリンピックに出場するアスリートたちは、ある意味強い負荷を掛かかった状態で競技をしているため、体の動きや感覚の発達度合いが高い可能性があり、その体とパフォーマンスの関係を紐解くことはスポーツ全体の可能性を高めることになるように思うのです。
ドイツのパラリンピック走り幅跳びの代表のマルクス・レーム選手は、子供時代からウエイクボードで期待されている選手でしたが、練習中の事故で右足下を切断したそうです。
しかし、2年後には競技に復帰して義足でも健常者でさえ難しいと言われる大技を決めて優勝したそうです。
現在は、陸上選手として活動しており、パラリンピックにも走り幅跳びで出場されます。
マルクス・レーム選手が、義足でもウエイクボードの大技を決めることができたり、走り幅跳びで健常者に負けない記録を出している背景には、義足であることを補う脳の働き、体の使い方が発達しているからではないかと思います。
マルクス・レーム選手の例からも、パラリンピアンに注目することはスポーツ界全体のパフォーマンス向上につながる情報が得られるのではないかと感じています。
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