サッカーのPK、バスケのフリースロー、バレーやテニスなどのサーブ、ラグビーのコンバージョンキック、ゴルフのパット、ビリヤードのショット、ボーリングのスローイング、など、スポーツのプレーには対戦相手に邪魔をされずに行えるものがあります。

トップレベルの選手であれば、そのプレーの再現性は並の選手に比べるととても高いのですが、勝負が決まる場面や同点に追いつく場面などの緊張感の高まる時には、プレーに精度が落ちてしまうことがあります。

緊張しているからと言ってしまえばそれまでですが、プレーの精度が落ちてしまう原因は何なのかを脳の働きから説明したいと思います。

プレーの精度が乱れる理由

スポーツのプレーは、脳の働きで言うと出力に当たります。
人間の脳は、五感から情報を得て、その情報に対する反応を出力しています。
会話もスポーツのプレーも同じ原理です。

スポーツの場合は、例えばゴルフのパットで説明すると、ボールからカップまでの距離やグリーンの状態などが情報で、その情報が脳に入力されて、情報を手掛かりにボールを打つという動作が出力です。

この時、何度も体験して成功させているような状況であれば、いつもと同じ力加減でボールを打てばプレーは成功するのですが、プロでも力加減が狂ってしまうことがあります。

この狂いは、『ゆらぎ』と呼ばれている脳が自発的に内部で生み出している活動が原因で生まれているのです。

何度も体験したことがある状況が脳に入力された時、その情報にゆらぎという活動がプラスされて、その結果としてプレーという行動が出力されています。
そのため、ゆらぎの状態によって、出力の度合いは違ってくるのです。
その違いが、場合によってはミスを引き起こしてしまいます。

プレーが成功するか失敗するかが事前にわかる

ある実験では、MRIを使って脳のゆらぎと力の出力を観察したそうです。
ランプが点灯したらレバーを握るという単純な実験だそうですが、ランプが点灯してからレバーを握るまでの間に脳内で生じているゆらぎのパターンとレバーを握る力の度合いに関連性があったそうです。

その実験では、MRIで脳を観察していると、ランプが点灯した後に生じる脳内のゆらぎによって、レバーを強く握るのか、弱く握るのかがわかったそうです。

この実験結果から言えることは、スポーツのプレーも動作を起こす前の脳内のゆらぎによってプレーの成功と失敗が予測できるということです。

ゆらぎを整えることがプレーの再現性につながる

ゆらぎとは、決断できない不安定な状態です。
脳は、無意識に内部で活動を起こしていて、その活動が目の前の現実への集中を妨げたり、迷いを生むこともあります。

ゴルフのパットの場合、経験からボールとカップの距離が1メートルくらいだと感じて、いつもならその感覚を頼りに迷いなくボールを打っていても、その時だけ脳内のゆらぎによって本当に1メートルなのかと疑ってしまい、決断ができないまま打つと外してしまうということが起きるのです。

スポーツでは、プレーの再現性を高めるためには脳のゆらぎを整えることが必要不可欠です。
実際に多くのメンタルトレーニングは、このゆらぎを整えることを目的としています。

そして、安定して成績を残している選手はゆらぎを整えるのが上手いと言えますし、不調が続いている選手はこころのゆらぎが原因になっていることもあります。

ゆらぎが不調を生む

脳のゆらぎは、人間以外の動物の脳でも起きているそうで、それを確かめる実験も行えるそうです。

スポーツの場合、脳のゆらぎが長期間にわたって選手を悩ませることがあるあると考えられます。
それは、人間の脳は他の動物よりも高度な発達を遂げていて、遠い未来のことを考えたり、何年も前の過去を思い出すことができます。
これは、現在から意識を離すことができるということでもあり、それだけゆらぎの幅も大きくなると考えられます。

また人間には言語があるので、ゆらぎを大きくします。
自分の脳内で、思いを言語化してあれこれ自問自答しているとゆらぎも大きくなっていくと考えられます。

スポーツなら、過去の悪い結果を思い出してしまったり、ネガティブな感情を心の中で言語化しているとゆらぎは大きくなり、プレーの精度が乱れてしまい、そんな状態が長く続いていればスランプに陥ることもあるのです。

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