ジュニアアスリートの心の成長を促す最適なアプローチとは

2009年からアスリートのメンタルサポートを行っていますが、その中には小学生から高校生の間にコーチングを受け始め、プロや日本代表になってもサポートを継続している方もいます。
何名かのアスリートをジュニア期からサポートしてきた中で感じていることは、自分の状況や感情を言語化する力、感情をコントロールして課題と向き合える力が向上するとともに競技成績も安定してくるということです。
この背景には人間の脳の発達傾向と発達を促進するアプローチが関係していると考えています

特に「前頭葉」の発達はジュニアアスリートが抱える心の課題とそれを克服する力の向上とも深く関係しています。
本記事では、ジュニアアスリートの心の成長と前頭葉発達の関係を紐解きながら、私の経験から辿り着いたジュニア期の心の成長を促す最適なアプローチについてお伝えしたいと思います。

ジュニアアスリートが直面する心の課題

前頭葉の発達は個人差が大きく、他の脳部位の発達に追いつくのは25歳前後と言われているためジュニア期にはさまざまな心の課題が生じます。

  • 感情が爆発しやすい:負けて泣き出す、怒りを抑えられない。
  • 集中力が続かない:練習や試合中に注意が散漫になる。
  • プレッシャーに弱い:試合になると普段の力を出せない。
  • 対人トラブル:仲間やコーチとの関係にストレスを抱える。

子供の心の成長に対する親の心構え

前頭葉の発達は個人差が大きいため、同じ年齢でも心の成熟度には差が出ます。
そのため上記のような課題が表面化してきた時に親が焦って子供に早急な解決を求めないことが大切です。
課題に対する指摘ばかりしていると子供の心の中に『自分は心が弱い』という自己認識が生じて、それを大人になっても引きずってしまうこともあり得ます。
競技力は高いのに自信を持っていない選手には、このような自己認識を持っている人も少なくありません。
子供の状況に対して焦らず成長を見守ること、そして心の成長を促す機会を与えてあげるという心構えを持っておいてほしいなと思います。

心の課題を克服するジュニア期の心の成長とは

心の成長とは、感情のコントロール力、自己理解、対人関係の構築力、そして逆境への耐性といった「心理的スキル」が高まることを指します。
スポーツをしていると勝敗や仲間との関係、監督・コーチからの指導など、子供たちは多様な刺激に直面して、そこから生じる課題に向き合いながら心が成長していくのです。
課題と向き合うことで以下の力が育まれます。

  • 感情調整力:試合の緊張や負けた悔しさをどう扱うか。
  • 自律性:練習への取り組み姿勢や習慣づけ。
  • 協調性:チームメイトとの連携や役割理解。
  • 自己効力感:できたという実感が自信に結びつく。

これらの要素は、大人になってからの社会生活や職場での適応力にも直結するため、ジュニア期は心の成長にとって極めて重要な時期といえます。

経験から辿り着いた心の成長を促すアプローチ

私はこれまでコーチング、メンタルトレーニングという形でアスリートをサポートしてきましたが、ジュニア期に課題を解決しながら心を成長させていく過程には言語力の向上が見られました。
これはコーチングによる成果が大きいと感じていますが、多くのジュニアアスリートをサポートしてきた中でコーチングの効果が顕著に現る子供はある程度言語力が発達しているという事実もあります。

そのため前頭葉の発達が十分に促されていない子に関してはもっと他のアプローチができないものかと考えるようになり、辿り着いたのはコーチングという対話形式ではなく、レッスン形式で言語力の発達を促す方が良いという答えでした。
そして具体的な方法を構築しようとしている時に出会ったのがEQトレーニングというアプローチ方法です。

EQトレーニングの専門家によるサポート

EQトレーニングのトレーナーである岡林さんと知り合い、その内容を説明してもらうと私がジュニアアスリートに提供したいものが具体的な形となったサービスであったため、岡村さんにはEQトレーニングの担当としてジュニアアスリートのサポートに協力していただくことになりました。

EQトレーニングではレッスンを進めながら、自分の感情に気づくこと、それを感じて受け止めること、適切な言葉で言語化すること、望ましい行動を選択することなどの心の働きを向上させることを目指します。
まだ自分の感情を上手く言語化できない子でも、具体的な課題をもとにレッスンが進んでいくのでコーチングよりも取り組みやすいと言えます。
特に小中学生は、いきなりコーチングから始めるよりもEQトレーニングを受けてからコーチングに移行することが望ましいと感じています。

小中学生で今後を見越してメンタルに関する取り組みを始めておきたいという選手、高校生だけど自分の気持ちを表現するのは苦手だという選手はEQトレーニングをおすすめします。
当社では『ココロスイッチ』というEQトレーニングを提供しています。

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