
「スポーツをしている子供を見ているとメンタル面に課題があるのではないかと感じるが、何から取り組んでいいのかわからない。」
そんな風に感じておられる方にはEQトレーニングをおすすめしています。
ジュニアアスリートと言われる小中学生の時期はまだまだ脳の発達途中です。
特に前頭葉が他の脳部位の発達に追いつくのは25歳くらいまで係ると言われているため、親や指導者から見るとさまざまなメンタル面の課題を感じるのは当然です。
前頭葉は他の脳部位よりもゆっくりと育っていくので、思春期に感情のコントロール、他者からの評価を気にするということでパフォーマンスが低下したり、モチベーションを維持できずに競技にしっかりと向き合えなくなってしまうことがあります。
そこでジュニアアスリートには、将来を見据えたメンタル強化の取り組みとしてEQの向上トレーニングを提供しています。
小学生から高校生までを対象にした心の知能指数であるEQの向上を目指したトレーニングで、まだ自分の思いや状況を上手く話せないという場合でもトレーナーのサポートを受けながら取り組むことができます。
心の課題とEQトレーニングの効果
EQトレーニングは、以下のような心の成長を視野に入れて行います。
それぞれの心の要素の成長と、ジュニアアスリートが抱えている心の課題の克服について説明します。
1. 自己認識と自己調整の強化
自己認識とは、自分自身の感情、思考、価値観、行動パターン、強み、弱みを深く理解し、それらが他者にどのような影響を与えるかを認識する能力を指します。
自己調整とは、自分自身の目標や行動を計画し、実行し、評価しながら、目的に向かって自己の行動や思考をコントロールする能力です。
自己認識と自己調整の強化は、プレッシャーが掛かる状況での冷静な判断が可能なる、集中力を保てるという効果が期待できます。
脳科学的にいうと、前頭前野(特に背外側前頭前野)が感情の制御に関与し、扁桃体の過剰な反応を抑える。
幼少期からこの回路を訓練することで「感情に振り回されない神経回路」が強化される。
2. レジリエンス(逆境対応力)の向上
レジリエンスとは、「回復力」や「復元力」、「弾力」などを意味する言葉で、心理学においては「精神的回復力」を指します。
この力はミスや敗戦のショックからの立ち直りに関係します。
ジュニア期は、体や運動機能の発達の個人差が大きいので、同世代でも適わない相手が出てくることがあります。
そこで自分の可能性をあきらめてしまわない心の力としてレジリエンスが求められます。
脳科学的には、ストレス応答に関わる海馬と前頭前野の連携が発達することによりレジリエンスは高まります。
EQが高い子は、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が安定しやすくストレス耐性が強くなります。
3. チームスポーツにおける協調性・リーダーシップ
チームの一員として協力、雰囲気作り、仲間の鼓舞、目的への指針を示せる力もEQと関係があります。
脳科学的には、社会的認知に関与する前帯状皮質や側頭頭頂接合部(他者の心を理解する領域)が発達すると協調性やリーダーシップが持てるようになります。
思春期にEQを鍛えることは「共感脳」を育てることにもつながります。
協調性とリーダーシップを持っている選手は、チームの士気を高め、心理的安全性のある雰囲気を作りやすいと言えます。
4. モチベーションと自己目標設定力
EQは、モチベーションの維持と自己目標を設定して自己成長を促進する力とも関係があります。
先を見据えて自分の気持ちを奮い立たせたり、計画性を持って自分の成長をイメージできる力もEQの1つです。
脳科学的にいうと、報酬系(ドーパミン系)の回路が、短期的な快楽よりも「達成感」「自己成長」を報酬として感じる方向に強化されることで、先にある目標に向かって適切な取り組みを継続することができるようになります。
長く第一線で活躍するためには欠かすことができない力だと言えます。
5. 思春期の不安定さを和らげる効果
思春期になるとパフォーマンスが低下してしまう選手がいますが、EQの向上は思春期の不安定さを軽減する効果もあります。
思春期はホルモン変化で感情が乱れやすく、衝動性も増すのですが、EQトレーニングによって、脳の感情制御ネットワークが安定するようになると思春期の心の不安定さを受け止めてコントロールする力が身につきます。
まとめ
子供が思春期になってから調子を崩している、全国大会手出場や入賞を目指して取り組んでいる、プロになる夢や世界で活躍する夢を持っているという場合は、EQトレーニングはおすすめです。
まだ自分の気持ちや状況を言語化する力が未熟でもその点を補いながらトレーニングを進めることができる点がEQトレーニングがジュニアアスリートに適している点です。
高校生以上になって言語化能力が成長してコーチングを受けるようになってからも、自分のことを内省する力や思考と行動を結びつける能力もEQトレーニングで養えているとコーチングの効果も高まるでしょう。
小学生から中学生までのジュニアアスリートには、まずEQトレーニングから取り組んでいただくことをおすすめします。
=== 小学生~高校生が対象『心の知能指数』を高めるトレーニング ===
心の知能指数と言われるEQ向上を目的としたメンタルトレーニングプログラム「ココロスイッチ」
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