この時期は、私がサポートさせて頂いている多くのアスリート、チームにとって大切な大会期間です。
中高生も実業団も全国大会の予選がはじったとろこです。

試合でいい結果が出た時は、練習してきた成果が出て手ごたえのあるパフォーマンスが発揮できていると思うのですが、今日はその手ごたえを次の試合につなげるための意識の持ち方、方法についてお伝えしたいと思います。

 

まずは、良いパフォーマンスができた場面をできるだけ詳細に思い出して下さい。
その時、場面だけを思い出すのではなく、良いパフォーマンスが発揮できた時の感覚もできるだけ鮮明に思い出して下さい。
その場面でどのように感じていたのか、身体はどんな感覚だったのかなど、具体的に思い出せたらその時と似たような感覚が感じられると思います。
パフォーマンスを発揮した当時の感覚が思い出されたら、この感覚を覚えておいて下さい。

私たちは、印象に残る成功体験をした時ほど、後から振り返って失敗体験をした時と比べてみると、不安や迷いをほとんど感じていなかったり、変に冷静だったり、場合によっては時間感覚が通常とは変化していて相手やボールの動きが予測できたり、という感覚の中でパフォーマンスを行っています。

 

この時の感覚というものが非常に大切で、成功体験を思い出す時に場面だけを思い出しても体が同じようなことを再現できる準備はできていませんが、感覚も一緒に思い出せている時は同じ質のパフォーマンスを発揮できる準備が心身ともにできているのです。

私たちの体は、戦うということを意識すると自然と緊張するようにできています。
緊張している時には、戦うという刺激によって脳が反応して体に戦う準備をするように命令を出しているのですが、この時に生まれる身体感覚が緊張の正体です。

 

戦うということになり、その中で良いパフォーマンスを発揮するために体が戦闘態勢に入った時、その状態に心がついてきている状態が理想的な緊張状態であり、それを生み出そうという方法がメンタルトレーニングなのです。

人間は、想像することで体に反応を生み出すことができます。
例えば、練習が終わったら好きなものを食べに行こうと想像すると唾液が出てきたり、お腹が空くような感覚を感じます。
また、他人からケガをした時の体験を聴かされたら、少し身がすくむような感覚を感じたりします。
このように想像力によって体の反応を作り出してしまうことができるのです。

 

試合で良い結果を残せた時、良いパフォーマンスを発揮することができた時、その時に感じていたことを試合からできるだけ時間が経たないうちに思い出しておくことは、次に試合を迎えた時に自分の心身の状態をどのような状態に持って行くことが望ましいかという手がかりを具体的に記憶することにつながります。

そして、次の試合前、プレーに前にその記憶を思い出して、記憶という刺激によって脳が反応して感覚も再体験できれば、良いパフォーマンスを発揮できる準備ができるのです。

人間の記憶力、想像力、そして脳の仕組みを利用して質の高いパフォーマンスができる心身の準備をする方法を取り入れてみてください。

 

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