根性の前に身につけたい『楽しい』という感覚
メンタルを強化したいと考えた時、日本人はどうしても大きな負荷に歯を食いしばって耐えることがメンタル強化になると考えがちですが、それだけが強化の方法ではありません。
むしろ、苦しいことに耐え抜いたら心が強くなるということだけがメンタルの強化だと考えているとパフォーマンスの低下を招いてしまう場合が多いのです。
実際に低迷しているアスリート個人もチームも、偏った視点で心を強くするということを考えている指導者から指導を受けている傾向も見受けられます。
苦しいことに耐えるという心の鍛え方も、明確なビジョンを持って負荷を調整して行えば意味のあるメンタル強化方法だと思いますが、今回の記事では、ドーパミン神経を鍛える必要性をお伝えしたいと思います。
ドーパミン神経は、何かに没頭して夢中になっている時に活性化している神経です。
競技をしていること、試合をしていることに対して体力的、精神的な苦しさを感じていても、その上で楽しいという感覚が持てている時は体が良く動き、良いパフォーマンスを発揮できます。
ドーパミンの低下はパフォーマンスの低下につながる
ドーパミンは神経伝達物質の1つで、運動機能の調整と快の感情を生み出して意欲や集中力を高める役割を担っています。
ドーパミンは、スポーツを行う上では欠かすことのできないものなのです。
しかし、指導者のアスリートへの関わり方が、ストレスを与えすぎていて努力することの意味や目的達成のイメージを上手く与えることのないものだった場合、ドーパミンを生み出す神経はしっかりと働かないので運動機能の面でもモチベーションの面でもパフォーマンスが低下してしまうのです。
アスリートにとって、ドーパミン神経が上手く働かないということはパフォーマンスの低下につながり、低下するとスランプだと感じる状態にまで陥ってしまいます。
おそらく、世の中にはまだまだパフォーマンスを向上させる可能性があるのに、ドーパミンの働きが低下したままの状態に自分の選手としての限界を感じたり、そのパフォーマンスを評価されてしまい引退することになってしまっているアスリートも少なくないと思います。
パフォーマンスを取り戻すために脳の働きを取り戻す
アスリートが、周囲の環境だけでドーパミンが低下してパフォーマンスが低下したままになったり、引退せざるを得なくなるというのはもったいないことですので、アスリートとしても1人の人間としても自分の競技生活をより良くするために自分でドーパミン神経を活性化される方法を知って実行していただきたいと思います。
スポーツをしている以上、勝負事なので気持ちを強く保ち続けることが難しいほど落ち込むことも、指導者やチームメイトとの相性でストレスが慢性化してしまうこともあるかもしれません。
しかし、自分の精神状態に対しては自分で責任を持てるようにならないと、勝負の世界で戦っていくことは難しいですし、引退後の生活でも困難を乗り越えていくことは難しくなります。
ドーパミンの働きを活性化する方法
上記では、スポーツのパフォーマンスはドーパミン神経の働きが活性化している状態だと質が高いと書きましたが、ここからはドーパミンの働きを活性化する方法について書きたいと思っています。
ドーパミン神経は、脳内で放出される量によって幸福感を感じる度合いも高くなります。
ということは、ドーパミンの働きが活性化するには、日常でたくさん幸福感を感じることがあるといいということです。
普段から働きが活性がするようにしておけば、試合の日でもドーパミンがしっかりと働きパフォーマンスの精度を上げてくれるのです。
では、具体的なドーパミン神経の活性化の方法をお伝えしたいと思います。
- 笑顔で過ごす時間が増えるように心がける
- 通学や通勤で、いつもとの違う道を通るようにして、脳に新しい刺激を与える
- 楽しく過ごせる時間を増やす
- 目的と目標設定を具体化して、達成することで得られる喜びを具体的にイメージする
ドーパミンは、幸福感を感じている時、望んでいるものが手に入るかもしれないと想像している時、興味や関心を誘発する新鮮な刺激を受けている時に活性化しています。
上記の4つの項目を意識して取り入れることで、ドーパミンを活性化させる機会を増やすことができると思います。
4つの項目に該当する具体的な方法は、個人差があり何が当てはまるかは人によって違いますが、自分にとって喜びや楽しみ、興味、関心、興奮などを誘発することを日常生活に取り入れることで、ドーパミン神経を刺激してみて下さい。
トップアスリートは、楽しむことも上手くて、明るくアグレッシブな人も多いですが、おそらく日常の自然な習慣がドーパミン神経を刺激しているのでしょう。
パフォーマンスの向上やスランプ脱出を目指している方は、ぜひドーパミン神経を習慣的に働かせるよう意識してみて下さい。
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