緊張して興奮するタイプと萎縮するタイプ
アスリートには、試合直前に脳の覚醒度が高くなる傾向の人と低くなる傾向の人がいます。
焦りやイライラによってパフォーマンスが低下する人は高覚醒タイプの可能性が高く、会場の雰囲気に呑まれたり萎縮したり、集中力が上がらない人は低覚醒タイプの可能性が高いと言えます。
試合前の自分のタイプを確認するため、いくつか質問をしたいと思います。
- 試合前にどんな気持ちになることが多いですか?
- 試合の立ち上がりは、どんな心理状態であることが多いですか?
- 良いパフォーマンスができている時はどんな心理状態で試合に臨めた時ですか?
質問の内容を手掛かりに自分はどちらのタイプなのかを推測してみてください。
下記の図にあるように、脳の覚醒度がパフォーマンスを発揮しやすい状態ではない場合に、呼吸法によって脳の覚醒状態を調整するのですが、高覚醒タイプと低覚醒タイプのそれぞれに適した呼吸法
があります。
自分がどちらのタイプかを推測するために、試合前や試合の立ち上がりで高覚醒と低覚醒のどちらになることが多いか思い出してみて下さい。
下記では、それぞれの呼吸法について説明しています。
勝負の世界に身を置くからこそ心を整える必要がある
上記の図にあるように試合前に緊張した時に脳が覚醒しすぎてしまう人と覚醒しにくい人がいます。
どちらも試合で良いパフォーマンスを発揮するためには望ましくない状態なので、真ん中のゾーンに自分の心理状態を変化せさる必要が出てきます。
その方法が呼吸法なのです。
高覚醒タイプの人に実践して欲しい呼吸法
高覚醒タイプの人は、興奮している脳を落ち着ける必要があるので丹田呼吸法がおすすめです。
低覚醒タイプの人は、脳を適度に興奮させて闘う準備をする必要があるので、血行を良くして体温を上げる呼吸法がおすすめです。
まずは高覚醒タイプの人に身につけてもらいたい呼吸法です。
丹田呼吸法
ゆっくりと息を吐きながらお腹を凹ませていきます。
口から長く細く息を吐いて下さい。
息を吐ききると自然と鼻から空気が入り始めます。
そのままゆっくりとお腹を膨らませながら息を吸い込んで下さい。
この時は鼻から息を吸って下さい。(重要)
息を十分に吸ったら、自然と鼻から息が出ようとするのでその流れでゆっくりと息を吐き切り、また息を吸うということを繰り返します。
目安として、息を吐いて吸うを1セットとして1分間に4~8セットのペースで呼吸を続けてください。
上級編
上記の呼吸の方法に慣れてきたら、息を吸い切った時に3秒ほど呼吸を止めて下さい。
息を吸い切った後に呼吸を止めると横隔膜が鍛えられます。
横隔膜を鍛えることで呼吸をする力はさらに向上するので呼吸を止めるという方法も実践して下さい。
さらに呼吸を止めることは、腸を刺激してセロトニンの分泌を活性化するので高覚醒タイプの人が心を落ち着ける効果も高まります。
低覚醒タイプの人に実践して欲しい2種類の呼吸法
では、次に低覚醒タイプの人に取り入れて欲しい呼吸法を2つ紹介します。
ウジャイ呼吸法
ヨガの呼吸法の1つです。
お腹を凹ませて横隔膜を上げた状態で、鼻から息を吐き、鼻から吸うという呼吸法です。
息を吐く時も吸う時も喉の奥で摩擦音を立てるように呼吸をします。
この呼吸法は、『勝利の呼吸』とも言われていて、血液の循環を活性化して体温を上げる効果があります。
カパラバディ呼吸法
これもヨガの呼吸法の1つです。
鼻から小刻みに息を吐いて吸うを繰り返す呼吸法です。
息を吸うことよりも吐くことに集中して、鼻から力強く息を吐きます。
この呼吸法は、血行が良くなり、頭がスッキリするという効果があります。
ただ、心臓が弱い人、高血圧の方、妊娠中の人は控えた方が良いと言われています。
2種類の呼吸法を使って、試合前に集中力を高め、血行を上げて心身ともに戦う準備をして下さい。
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