話を聴くトレーニング
今回の記事は、他人からの指導やアドバイスを上達につなげるための思考力について書いています。
競技をしているといろんな人から指導を受けたり、アドバイスをもらうことがありますが、相手の話をどのように受け止めるかによって取り組み方が変わります。
取り組み方によって成長の度合いが変ってくるので、指導やアドバイスをどう受け止めるかは、アスリートの人生に影響するので、人の話を自分の成長につなげる思考力を身につけて欲しいと思います。
では、あなたが指導やアドバイスを自分の成長につなげていけるようになるためのトレーニングをしてみましょう。
まずは下記の動画をみて下さい。
クリックして始まるところから1:41:50くらいまでみて下さい。
武井壮さんがサッカーのスペイン留学がコロナで流れた親子に送ったメッセージ
話を聴いた印象を整理する
動画を見終わったら、話を聴いてどんな印象を持ったのか整理して下さい。
どの部分が印象的だったか、どこが参考になったか、疑問や反感を感じた部分はあったか、そしてこの話の本質は何なのかを書き出して下さい。
この段階で書きだした内容が、あなたが他人から指導やアドバイスを受けた時に話の内容をどのように受け取っているかということを表しているので、それを踏まえてこの続きを読み進めて下さい。
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ここから先は、動画の印象を整理してから読んでみて下さい。
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話のどこに焦点を当てて聴くか
動画の中のメッセージには、いくつかの要素が入り混じっています。
人の話は、相手に伝えたい本質、本質を伝えるための補足、気持ちがこもった主観などに分けることができます。
動画の中の武井さんの話だと以下のような感じです。
■話の本質
アスリートとしての目的は上達であり、場所が変わっても目指すものは変わらないし、
できることはたくさんある。
自分の成長のモデルを見つけて、パフォーマンスのクオリティはすぐには真似できなく
ても、練習量や自己管理などの同じように、またはそれ以上にできる部分はすぐにでも
取り組み始めることができる。
自分を成長させることのできる機会を探して、貪欲にその機会を求めて動け。
■補足
自分のしてきた努力、自分ならこうするという提案、今の自分は何をしている、などの
事実をもとにした話の本質が伝わりやすくなるための情報。
■話し手の主観
「あなたは○○と思っている」、「それではダメ」
あなたが動画を見て上記のどの部分が印象強く感じられましたか。
動画を見て『こんな言い方をしなくていいのに』、『決めつけでものを言うと相手が可愛そう』というようなことを思った方は、話し手の主観が印象強く感じられた可能性が高いと言えます。
反対に動画を見て、『大切な話だな』、『自分に当てはめて考えてみよう』、『質問をした人は貴重なアドバイスをもらえているな』というようなことを感じた方は、話の本質と補足内容が印象的だった可能性が高いでしょう。
補足の部分だけが印象強く感じられた人は、事例のような具体的な話の方が理解しやすい人、もしくは武井さんのことに関心が強いファンの可能性が高いと言えます。
話を聴く力は自尊心の影響を受ける
今回見てもらった動画は、武井壮さんが質問者の親子に向けて話をされているものなので、自分に直接向けられたメッセージに比べると冷静に話の内容を受け取ることができますが、競技生活の中で受ける指導やアドバイスは、自分に向けられるものなので話しての主観にとらわれてしまうことがあります。
何故なら、話し手の主観には自分にとって耳の痛いことや反論したいと思うような内容が含まれているからです。
人によっては主観の中に過激な言葉が混じってしまう人がいるので、余計に話の本質に集中することが難しくなります。
自分の向けられた指導やアドバイスは、自分の自尊心を刺激するため相手の話を冷静に聴くことを妨げてしまうことになるのです。
指導やアドバイスをする時は、選手のことを思っているからこそ感情が盛り上がってしまう人もいて、その話を聴いていると落ち込んでしまったり、自信が低下したり、萎縮をしてしまうこともあります。
指導やアドバイスの中には自分が成長する要素があるので、話の本質を理解使用という心構えを持って話を聴く力を身につけて欲しいと思います。
そうすれば、成長のために何をすればいいのかが見えてくるでしょう。・
最後に・・・指導者に意識して欲しいこと
指導実績の豊富な人ほど的確な指導、アドバイスができる力は高いと思いますが、話の内容を相手に受け止めてもらえるかどうかは、話の内容が正しいかどうかより、話し手が聞き手からどんな印象を持たれているかによって違いが出ます。
簡単に言うと、何を言うかよりも誰が言うか、ということが重要だということです。
そのため、指導者は選手にアドバイスをする時に、選手が話の本質を理解できるように話し掛けて欲しいと思います。
主観的な話をする時は、選手の自尊心に配慮して話すと伝えたいことが伝わりやすくなります。
指導者と選手の関係次第では、主観的な話を選手が心にゆとりを持って聴くことができるのですが、中々そんな関係を築くことは簡単ではないので、話し方に工夫が必要になります。
ちなみに武井さんの場合は、多くの人に認知されていてファンもたくさんいるので、質問者が武井さんに持っている感情次第では、話の内容を素直に受け取ってくれているかもしれません。
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