昨日、一昨日と兵庫県高等学校新人剣道大会に、母校でありメンタルトレーナーを務めている東洋大姫路の剣道部のサポートのために行ってきました。

高校剣道は、この新人戦の先にある全国選抜大会、玉竜旗、インターハイが3大大会と言われており、玉竜旗以外は県予選を突破しないと出場することができません。
その出場権を得るために必死で頑張っている高校生の姿には心を打たれますし、学びも多く、それだけに力になってあげたいという思いも強くなります。

試合の結果は、男女とも団体戦で全国選抜大会の出場権を逃し悔しい思いをしたのですが、近畿大会の出場権は得ることができたので、近畿大会では今大会の悔しさを晴らすとともに、夏のインターハイ予選への手応えを掴んでほしいと思います。

勝敗を分けた要因は無意識の動き

昨日の試合で感じたことは、無意識レベルに落とし込まれた情報が試合を左右するということです。
それはどういうことかというと、剣道であれば一歩踏み込めば相手を自分の竹刀が当たる距離で技の応酬を行うのですが、そのスピードは動き出しから打突までが一瞬で終わるほどです。

そのスピードのある打突に対して、交わしたり、受けたり、応じたり仕合ながら勝敗を決めるので、無意識でどのようなことができているかが勝敗のカギを分けます。

剣道の場合

剣道で例えると、間合いの取り方があります。
剣道では相手との距離を間合いと言いますが、竹刀と竹刀の先が触れ合っている間合い、竹刀の先から10cmほどのところが交差している間合い、それよりも近くて竹刀を振りつつ一歩踏み込めば容易に竹刀が相手の体に届く間合いがあるのですが、その間合いの中の3つの地点と地点と地点の間の間合いを無意識に適度に保つことができていると、相手の攻撃を受けにくく、自分の攻撃はしやすくなります。

しかし、試合の時にその間合いを目でじっくり確認している余裕はありません。
ある程度は、感覚的に自分がどの間合いにいるのかを相手の顔付近を見ながらつかめていないと、相手の竹刀の動きを見失ってしまいます。
無意識のレベルで、相手の体格、剣風、運動能力、距離からどのような間合いを取ることが攻撃するのに有りで、どのような間合いだと危険を回避できるかを察知して、足を良く動かしてその間合いを確保することができれば、相手の体全体を見つつ竹刀の動きに気を配ることができます。
この時、意識は相手に向いていて、自分の行動は無意識にある情報によって行っています。

この無意識の中にある情報が曖昧だったり間違っていたら、自分の無意識の行動は勝つために理に叶っていないものになってしまうので、無意識の中にある情報が勝敗を左右するのです。

野球の場合

次は野球に例えて説明したいと思ます。
今年は、実業団野球のチーム、住友重工神戸・高砂の野球部をサポートさせて頂いたのですが、その中でわかったのピッチャーは自分の方に意識が強く向いている人と相手にしっかりと意識を向けて勝負ができる人がいるということです。

相手に意識を向けることができているピッチャーは、相手の心理はもちろん、癖、ゲーム展開などを考慮下ピッチングができていて、無意識レベルでフォームやコントロール調整をしています。
しかし、自分の意識が向いているピッチャーは、フォームや結果を意識して萎縮してしまう傾向が強いため練習時の実力を試合で発揮できていないようです。

剣道と野球の例から言えることは、自分の動作や自分がコントロールできる相手との距離に関しては、練習によって無意識レベルに動作を記憶させることができますが、相手に対する行動は、相手の体格やプレースタイル、ゲーム展開など、さまざまな要素によってその都度違いがあるので、意識的に調整をしなければならないのです。

 

勝負事において勝率を上げるためには、無意識にどのような情報を蓄積して、試合になったらその情報の記憶を頼りに行動できるように練習をすることが必要なのです。
試合は、緊張状態の中で無意識の中にある情報を頼りに体を動かしているので、無意識の中にどのような情報が記憶として詰まっているかが重要になります。

メンタルトレーナーの仕事には、どのような練習をすれば、より良い情報を無意識に定着させられるかを考案することも含まれます。
東洋大姫路の剣道部に関しては今後もサポートを継続させて頂くことになっているので、さっそく今後を見据えたトレーニングプランを考えています。

 

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