アスリートの神経可塑性

メンタル強化を求めるアスリートへ

私は、脳の神経可塑性の原理を重視してアスリートのメンタルサポートを行っています。
コーチングやメンタルトレーニングをご利用頂く方には、どのような方針でアスリートのサポートを行っているかを知っておいていただいた方がメンタル強化に取り組んで頂く上で効果も出やすいので、このページに書かれていることを読んで頂けると嬉しく思います。

正しいメンタル強化とは

まず、私の言うメンタル強化とは、“ネガティブな感情を感じなくなること”ではありません。
スポーツをしている時だけでなく、生きている上で不安感や警戒心が高まる出来事には遭遇しますし、その結果生じる心の反応を感じないようにすることは出来ません。

「試合で勝つためにメンタルを強化したい」という希望を持っているアスリートの多くは、何があってもネガティブな感情が発生しないようにするということを目指してしまっている人もいて、それでは余計に試合でのパフォーマンスが不安定になってしまうので、正しい認識を持ってもらうところからメンタルサポートが始まるのです。

私がアスリートに目指して頂くメンタル強化とは、どのような感情が生じても脳が状況に応じた判断と行動を選択できるように鍛えることです。
本来、人間の脳は自然環境の中で生き抜くために脅威に対する機能を進化させる必要性がありました。
現在では、多くの人前で話をする、高度な技術が求められる作業や危険の伴う作業、勝敗を争う時などに同じ機能を使っています。
メンタル強化とは、その機能が自分の意思やイメージと連動して自分にとって望ましい働きをすることを目指すことなのです。

メンタル強化のカギを握るのは神経可塑性

私は、メンタル強化のカギを握るのは脳の神経可塑性という性質だと考えています。
神経可塑性とは、脳が環境から刺激を受けて、環境に適応するために必要な変化を遂げていく仕組みです。

神経可塑性は、“Use it or lose it”といって使った神経は成長し使わない神経は失われるという原則があり、環境によってよく使う神経は成長するけど、使わない神経は衰えていくのです。
それともう1つ重要な原則に同時発火”と呼ばれるものがあります。
これは、同時に働いている神経同士は結合が強まるというもので、どの神経が同時発火するかによってアスリートのパフォーマンスにも違いがでます。

パフォーマンス向上に影響する刺激と神経発達の関係

アスリートだと、レベルの高い選手が集まっている練習環境にいたら自分の実力が向上したという場合は、素晴らしい選手がたくさんいる環境にワクワクして、高いモチベーションを持って練習をしているからです。
レベルの高い選手のスピードやパワー、テクニックなどから刺激を受け、その刺激に対応するという神経を働かせる必要性が生じ、刺激に適応する神経が発達してレベルの高い選手とプレーすることに慣れていくという形で実力が高まっていくのです。

反対に自分が全力でプレーしなくても周囲の選手を上回るパフォーマンスができる練習環境なら、高いレベルの選手に対応できる神経が発達しません。
また、レベルが高い選手がいても周囲からの評価に怯えて練習をしていると、ミスすることや評価が落ちることへの不安からイップスになるなど望んでいない神経伝達の回路が形成されてしまうこともあります。

良くも悪くも神経はよく使ったところが発達するので、練習でどの神経を刺激するかを意識することでパフォーマンス向上の仕方も違ってくるのです。

練習の質を向上させる同時発火という脳の仕組み

アスリートにとって練習をすることは、より高いパフォーマンスを発揮するための神経発達を促すこと、そして発達した神経をパフォーマンスとして表現できる筋力や柔軟性、持久力などを高めることです。
どのような競技でも、普段行っている基本動作や実戦形式の練習は、身体を使っているので身体機能を高めることができていますが、同時に神経発達も生じています。
フィジカルトレーニングも定められたトレーニングをしている時、1つの動きを習得するために神経は発達しています。

しかし、いくらフィジカルトレーニングをしても競技のパフォーマンスが向上していないとしたら、フィジカルトレーニングで身につけた筋力を競技の動きで活かすためのイメージが脳内で形成されていないのです。
フィジカルを向上させる時、新しいスキルを身につける時に、これらを自分のパフォーマンスにどう反映させていくかをイメージをする神経を使っている選手は、フィジカルやスキルがパフォーマンスに活かされやすいと言えます。

練習の中で身体を動かす神経を使いながら、試合をイメージするという神経を使うことで、2つの神経は同時に働き結びつきます。
そうなると試合をする時に自然と練習で身につけたものが発揮されやすくなります。

神経の同時発火を利用した練習をすることもパフォーマンス向上につながります。
メンタルトレーニングでは、この同時発火の仕組みを活用したものが多いです。

メンタル強化の2つの柱

神経の働きからメンタル強化を考えた時、私は大きく分けて2つのアプローチを重視しています。
それはコーチングとメンタルトレーニングです。

アスリートの思考力を高めるコーチング

コーチングでは、自己成長を促進させる思考、試合で力を発揮させるための思考、周囲の声に惑わされないための思考など、アスリートとして活動していくために必要な思考力を身につけるためのサポートをしています。
人間は、誰も思考の癖を持っているので、それが自分の判断や行動にとってマイナスになるものであった場合、競技生活を短くしてしまう行動を取ってしまったり、ネガティブに考えすぎて精神力が持たなくなってしまうということも起きてしまいます。
思考の癖を変えるには、対話によっていつもとは違う思考回路を使って物事を考えるということを繰り返すことが有効です。
コーチングでは、さまざまな問い掛けを行ったり、時にはアドバイスをしながらアスリートとして必要な思考力の確立を目指して頂きます。

力を発揮する感覚と体を休める感覚を獲得するメンタルトレーニング

メンタルトレーニングでは、人間の備わっている闘争本能をパフォーマンスに活かすための取り組みと力を蓄えるためのリラックスと休息の神経を働かせる取り組みを並行して行っていきます。
闘争本能の神経が適切に働かないと試合で力を発揮できないということが起きますし、リラックスと休息の神経を働かせることができないとコンディションが低下してしまいます。
アスリートに自分の脳の働きをパフォーマンスアップとコンディション維持のためにコントロールする技術を身につけてもらうことがメンタルトレーニングの目的です。
メンタルトレーニングでは、神経の発達と同時発火の仕組みを活用した内容となっています。

次のページでは、脳の神経可塑性という観点からメンタル強化に必要な意識を説明します。
脳科学が教えてくれるメンタルを強化するための心構え

競技特性と心の課題の記事一覧


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