アスリートは人格の成熟を期待される
世の中では、アスリートは人格が成熟していること求める傾向が少なからずありますが、現実は、趣味としてスポーツをしてきた人やスポーツをしたことのない人に比べて、競技成績を残してきた人が人格的に優れているのかと考えると、決してそうであるとは言えないと感じています。
ただ、目的を持ってスポーツに取り組む環境というのは、人格形成のための良い機会であり、アスリートは機会が整えられた環境に身をおくことができやすいとはいえると思います。
スポーツは人格が成長する環境が得られやすい
スポーツをする上で達成の難しい目的を持つほど、意識的に取り組む必要のあることは増えてきます。
また、その行動は、意識的に継続することが難しいものになってきます。
さらにチームとして活動するためには、チーム内のルールを尊重した行動をとること、チームメイトや指導者とのコミュニケーションで意思疎通を図ることも求められます。
このような環境があるという点で、アスリートは人格を形成するための必要な機会が整っていると言えるのではないかと思うのです。
ただ、それはあくまで機会があるということなので、その環境の中で望ましい行動を継続することができるかどうかによって、どんな人格が身に付くのかが変わってくるのです。
性格学では、人格は習慣の積み重ねによって形成されるため、良い習慣を持っていると良い人格が育つと言われています。
例えば、普段から人に対して丁寧に、思いやりを持って接する習慣を持っている、目的達成のために努力を欠かさず継続している人を見ると、人格的に優れているなと感じると思います。
反対に、遅刻ばかりしている、練習をさぼる、横柄な態度で人と接しているという人を見ると、人間性に問題があるなと感じるでしょう。
私たちは、感覚的に人の習慣を見ていて、そこからその人がどんな人格かを感じ取っているのです。
スポーツを通じて身に付いた習慣が人格を作る
人間の行動が習慣化するということは、最初は意識的に行っていたことが、継続しているうちに無意識にでも行えるようになることです。
目的を達成するために必要なことは、意識的に始めなければならないことが多いですが、それを継続しているうちに当たり前のように日々行うようになれば目的達成の可能性が高まります。
目的を明確にして競技生活をするということは、日々すべきことを意識的に実行して、それを習慣化していくことでもあります。
その体験によって精神面での成長も進むため、結果的に人格的にも優れた人になれる可能性が競技生活の中にあるのです。
スポーツをすることによって自動的に精神面の成長が進むのではなく、競技生活という環境から得られる機会を自分の精神的成長に結びつけることができると捉えていただき、限られた競技生活という時間を自分の人格を成長させることができる機会として活かして欲しいと思います。
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