呼吸法と一緒に行うイメージトレーニング

前回の記事では、呼吸法の効果と方法について説明しました。

緊張状態をコントロールする呼吸法

今回の記事は、呼吸法と並行して行うイメージトレーニングについて説明します。
呼吸法が上手くできて、緊張していても心身が充実しているような感覚を得ることができたなら、呼吸を整えながらパフォーマンスのイメージを描くようにして下さい。

緊張状態を呼吸でコントロールできているということは、能力を発揮できる準備ができているということでもあるので、試合中に脳と体がしっかりと状況に対応できるようにイメージトレーニングを行うのです。

では、イメージトレーニングのコツをお伝えします。

自分の眼から得る光景をイメージする

試合のイメージを浮かべようとすると、第三者目線で試合を横から見ている時に目に移っている明造をイメージする人がいますが、試合で勝つためのイメージを思い浮かべる時は、試合中に見えている光景をイメージして下さい。
そして、その光景の中で実際に起こりうること、それに対する自分の望ましい対応として、どのような行動をするかをイメージすることが試合の準備としてのイメージトレーニングとなります。

また、試合で起こりうることを明確にイメージすると、脳は目の前で実際に何かが起きていると感じて、予測力を働かせようとします。
目の前で起こるであろうことを予測している時は、集中している時でもあるので、イメージトレーニングによって集中力が高められるのです。

軌道のイメージ

競技によって違いはありますが、試合中は体やボール、その他の道具の動きというものが存在します。

動きをイメージする時、動きの結果だけを想像する人もいますが、それはイメージというよりは願望を思い浮かべているだけです。
実際、競技力の高い選手ほど、軌道をイメージしているという研究結果も出ているので、動きの軌道を描く癖をつけてください。

予測をすることは集中することでもあると説明しましたが、軌道を描くということも、今から起きることに対する予測なので、軌道を描くこと自体が集中力を高めることにつながります。
また、具体的に軌道を描くという意思が、ミスや負けるということを想像してしまうことを防ぐことにもなります。

起きてほしくないこと、したくないことをイメージしてはいけない

『~しないようにしよう』、『~してはダメだ』という意識を強くすると、脳内では望んでいない動き、プレーの結果のイメージが強化されてしまいます。

それは人間の脳が、意識して願ったことは、イメージに変換されて無意識に刻まれるからです。
意識を働かせている脳の部位は文章を理解できるのですが、無意識を働かせている脳の部位は文章が理解できないためイメージとして思ったことを残そうとします。
その際に、『~しないようにしよう』、『~してはダメだ』と意識していると、その動きと結果がイメージ化されてしまうのです。

イメージトレーニングは、自分がしたい、こういう結果になってほしいということをもとに、それにつながる動きやボールの軌道を明確に描くようにして下さい。

日常のイメージトレーニング

試合前ではなく、通常の練習の時や練習ができない時に行うイメージトレーニングも基本的には上記で説明していることを意識して行って下さい。

ただ、日常は試合前のような緊張感が自然と生まれてこないので、イメージをすることで試合の緊張を感じられるほど具体的なイメージができているかを重視して下さい。

イメージによって緊張感が高まらなければ、試合のような緊張感の高まりを感じられるようになることを目標にイメージトレーニングを継続して下さい。
普段から緊張感を感じておくと、脳がその状態になれてくるので、試合の時に緊張感が高まってもパフォーマンスにマイナスの影響が出にくくなります。

イメージトレーニングは筋肉への刺激にもなる

さらに、緊張感の高まりと同時に実際に体を動かしているような筋肉の反応や疲労を感じられるほど、具体的なイメージを思い浮かべられるようになって下さい。
脳は勘違いをする臓器なので、具体的なイメージによっても筋肉は反応して、実際に筋肉に負荷を与えているような効果を得ることができるということも研究では明らかになっています。

イメージトレーニングは、決して頭の中だけに効果があるトレーニングではなく、筋肉の反応を引き出すことでパフォーマンスの向上につながるトレーニングです。

まとめ

いくつかのイメージトレーニングを紹介しましたが、呼吸法と同じく難しいものではなく、短時間で行うことができるので競技生活に取り入れて欲しいと思います。

トップアスリートと話していると、専門的な方法や理論を知らなくても感覚的に必要と感じて上記のようなイメージトレーニングを独自で取り入れている人も
少なくありません。
ぜひ、イメージトレーニングを実践して下さい。

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