メンタルを定義する
メンタルトレーニングを導入したい、メンタルをコントロールできるようになりたいと思っておられる人、独自でメンタル強化を始めてみようと考えておられる人も、『メンタルとは何か』ということに対する答えを持っておくことが大切です。
それはなぜかというと、スキルやフィジカルのトレーニングの場合は、目指すべき形や状態が目で確認できるものであるため、ある程度何をどう鍛えることが必要かがイメージできますが、メンタルは心なので目で確認することができません。
確認できるとしても、心理状態が行動として現れたところだけです。
そのため、緊張して体の動きが硬い選手を見て、緊張することはよくないというイメージを持ったり、イップスになっている選手を見て、何も考えずに投げろと伝えるなど、間違った認識、間違った指導が行われてしまうのです。
メンタルとは何かという正しい認識を持っていれば、緊張している自分を否定したり、緊張しているのは心が弱いから、という思いを持つこともなくなります。
また、イップスにおいても何をどう改善することがいいのかが見えて、理にかなった改善のアドバイスをすることもできるでしょう。
メンタルを構成する要素
『メンタル』という言葉を辞書で調べると、心に関するさま、精神的、心理的と書いてありますが、これも抽象的でわかりにくいですよね。
メンタルとは何かがもう少し具体的になるように、メンタルは下記のような要素が影響し合って生まれる心の動き、だと認識してもらえばいいかと思います。
その要素は、感覚、認知、情動、感情、思考、信念 の6つです。
他の分類もできるかもしれませんが、スポーツにおけるメンタルコントロール、メンタルに関する課題の解決のためには、このような分類で覚えておいて頂ければ十分です。
感覚
感覚とは、外部から受けた刺激を感覚器官がキャッチすることにより脳に生まれた反応とその仕組みのこと。
スポーツと感覚
認知
人間が感覚器官で刺激を受け取り自覚することを知覚といいますが、認知は知覚したもの、知覚によって生じた感情に対する判断、評価のこと。
スポーツと認知
情動
情動は、感情の中でも刺激を受けたことで急速に発生するもの。
スポーツと情動
感情
出来事や他人に対して抱く気持ちで、喜び、悲しみ、恐れ、怒り、快楽、愛着、嫌悪など。
スポーツと感情
思考
何らかの目的を達成するために、情報や経験を頼りに決断をする心の働きのことです。
目的達成とは、前向きなことだけでなく、回避や逃避なども含まれる。
スポーツと思考
信念
継続してきた思考パターン、行動を正当化することで、自分の心の安定を支える基盤になるもの。
スポーツと信念
メンタルとは、上記の要素が複雑に影響し合って成り立っている内面的な活動だと思って頂ければいいかと思います。
そして、その活動は行動を生み出すもので、私たちは内面的な活動が行動として現れた時に、今の心理状態がどういうものかが何となくわかるのです。
メンタルをコントロールできるようになりたい場合は、上記のどれであればコントロール可能かを考え、コントロールの方法を身につける必要がありますし、メンタルを強化するという場合も、上記のどれなら強化できるのか、その方法は何なのかを考える必要があります。
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