イップスであることを認めないと改善しない
イップスは、アスリートを悩ませる問題の1つで、体が思うように動かなくなるということがパフォーマンスを低下させてしまうのですが、改善までに時間が掛かってしまうということもイップスがアスリートを悩ませる要因の1つです。
では、なぜイップスになると改善に時間がかかるのかというと、自分がイップスであることを認めたくないという否認の心理が働くからです。
イップスになった選手は、イップスでないと思うから、イップスを改善するための取り組みは始めません。
フォームを修正しようとしたり、力の入れ方を変えようとしたり、競技を問わず多くの方が同じような経過を辿ります。
しかし、イップスになっていたとしたら、それに適した対処が必要となります。
イップスになってしまうと恥ずかしいという心理
アスリートが、自分がイップスになっていることを認められない理由には、イップスになってしまうことは恥ずかしい、という思いがあるのではないかと思います。
そのため、自分の心中でも、周囲の人に対しても「イップスではない」と言い張りながら、どうにか改善しようと焦る気持ちがイップスを長引かしてしまうことにつながって入るようにも感じます。
多くの人は、自分がイップスにならないとイップスとは何かを考えることはないと思います。
イップスになっていても、イップスではないという否認の心理があると、イップスに関する正確な情報を得ることはないでしょう。
私は新規で年間10~20名ほど、イップスで悩んでいるアスリートの相談を受けますが、話を聴いていると誰にでも起こりうる可能性のあるものであるということ、そしてイップスになるのは心が弱いからではないということがよくわかります。
イップスがスポーツで問題になっているのは、才能や実力のある選手がイップスになってしまって選手生命に影響が出たり、ポジションを変えることになったりしているからです。
心身ともに【強い】選手たちがイップスに悩んできた歴史があるからこそ、スポーツを行う上での深刻な問題として認識されているのです。
イップスと精神的ダメージ
イップスは心が弱い人がなるのではなく、イップスになることで心が弱くなるのです。
誰でも自分の意思通りに体が動かない、意志に反した動きが生じて、その原因が分からない、対策もわからない、ということになると頭を悩ませると思います。
その上で、色々と試してみても改善の可能性が感じられなければ、精神的に弱りいます。
イップスは、実績も自身もある選手の心を砕き、引退を考えさせてしまうほど厄介なものなのです。
イップスは、その状態よりも改善のために取り組んでも良くならないという精神的ダメージの方が深刻です。
イップスになるメカニズムは、決して複雑なことではないので、適切な対処をすると大半の人は改善が見られます。
イップスで精神的に追い込まれる前に正しい情報を得て改善に取り組んでいただきたいと思います。
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